「芝士世界」の林朝夕のビデオメッセージがきっかけとなって裴之とは「元の世界に戻る」で意見が一致しました。さて戻ると、老林殴打事件の犯人が・・・。林父娘は大学院進学のお金がないので、金策を考えます。
配信は爱奇艺にて。全34集。
基本情報
邦題:天才少年たちのパラレルワールド
英題:The Heart Of Genius
原作:长洱の同名小説
監督:沈严
主演:雷佳音 、
张子枫
、张新成
【出演:配役】 林兆生・・・優秀な数学者、劇中ではしばしば老林と呼ばれる 演:雷佳音 林朝夕・・・林兆生の娘 演: 张子枫 裴之・・・林兆生に見込まれた数学の天才 演:张新成 纪江・・・人気アイドル。孤児院の出身、元々は党愛民という名前。花卷のあだ名でも呼ばれる。「芝士世界」では林兆生の養子となり、林爱民 演:王宥钧 张叔平・・・数学教師、「芝士世界」では高校の校長、「草莓世界」では受験塾校長 演:王骁 陆志浩・・・数学の集合訓練仲間、後に纪江の事務所の代表取締役社長 演:吴幸键 章亮・・・裴之をライバル視する 演:刘亚锟 包小萌・・・林朝夕の友人 演:胡连馨 裴东来・・・裴之の父親、交通機動隊員 演:耿乐 罗静・・・裴之の母親 演:刘琳 于明海・・・ボクシングジム会長・老于の息子、海哥とも呼ばれる 演:郑家伦 曾教授・・・数学界の大教授 演:霍青 包松・・・包小萌の父親、老包と呼ばれる 演:翟小兴 邱月・・・林朝夕の実母、出産時に死去 演:倪妮 |
あらすじ
元の世界を「草莓世界」、タイムリープしたパラレルワールドの世界を「芝士世界」と表しています
第23集(端水不易,林兆生好会:平等に扱う、それは林兆生が得意とするところ)
裴之らの貢献が認められて、1年分の交通データを提供してもらえることになった。条件はプログラムを渡すこと。ふたりは条件を快諾した。老裴は「草莓世界」の裴之とボクシングのスパーリングなどを楽しむことにした。
孙雯琪が林朝夕を訪ねてきた。学校では「妊娠している」との噂もたっているという。落ちこぼれの林朝夕がなぜ急に成績が良くなったのかを不思議に思っている。さらに包小萌が大学受験をやめると言い出していることを伝えた。
林朝夕は「芝士世界」の林朝夕に向けて勉強法を伝授するためにビデオ撮影を始めた。2つの世界について知らない弟・林爱民やクラスメートには自分なりの勉強法だと称してビデオ撮影を手伝ってもらう。仲違いしていた包小萌もやがて和解して協力するようになる。
林父娘と裴父子がICレコーダーの音声を再度聞き、打ち合わせをする。
林朝夕は勉強のビデオを撮影していると、老林が誕生日ケーキを持ってきて「ふたりの娘」の誕生日だと言う。林朝夕は花卷に、以前と今のどちらが姉が好きかと尋ねると、両方好きだと答える。老林は密かにビデオを撮り「芝士世界」の林朝夕に誕生日のお祝いをした。そして「明日会おう、愛している」と言ったのです。
2月22日本番当日を迎えた。その日、老林は数学の会議のために三味大学に行くことになっている。4人が三味大学にて車の中で会議の終わりを待っていると、曾教授が老林の姿を認めて呼び止めた。学校の役職を与えると言ってきたが、老林は拒否した。
会議が散開した。4人はいよいよ行動を開始する。
第24集第24集(林兆生”舌战”包叔:林兆生、包松と舌戦を繰り広げる)
老林と林朝夕は帰宅するルートを辿る。ふたりの横を1台の暴走車が猛スピードで通り過ぎていく。林朝夕が老林を事故に巻き込まれないように護る。車は突進して前方の障壁に衝突した。事故後、4人はICレコーダーの会話を忠実に再現していく。老林が最後のセリフを言い終えると2組の親子は別れを惜しんで抱きしめあった。
林朝夕と裴之は「草莓世界」に戻ったことを確認すると抱きしめ合って泣いた。
「草莓世界」ではちょうど老林が行方不明になったところである(第14集からの続き)。老林は老包の車に乗っている。記憶が甦る。金庫を開けた時に殴りつけた犯人はこの男だ、と。
老包は、老林を自分の店に縛り付ける。林朝夕と裴之は老林の行方を尋ね、老林が老包に拾われたことを知り、店まで探しに行くことにする。老包が老林がいないと嘘をつくと、裴之が異変に気づいて老包を取り押さえ、林朝夕が誘拐された老林を救出した。老包は罪を告白した。こういう事だ、
・林朝夕に車を貸したが、後部が破損して返された。そのお詫びとして1000元を受け取った。
・1000元を持って麻雀に行った。(←ここがおかしい)
・負けが込んできた。
・「高校の窓を開けてある」と金庫の金を盗むことを唆された。(←ここもおかしい)
・行ってみると老林と鉢合わせしたので殴った。(←さらにここもおかしい)
林朝夕と老林がラーメン屋で食事をする。老林が忘れていた全てを思い出した。父娘とも笑顔になる。
一方の裴之は母親と夕食を共にして謝った。
第23集 第25集第25集(林朝夕”上岸”考研班:林朝夕は上級クラスに移籍する)
老林は買い物に出かけると、帰り道を思い出せなくなった。なんとか家に帰ったが、何もなかったように振る舞う。
老林は公園で友人らと象棋をして勝っている。ゴンじいさんの息子、ゴンイーは老林を見つけて闇カジノに連れて行った。賭け象棋をさせられた。老林が勝利したて2万元を手に入れた。
林朝夕は受験塾を基礎クラスから上級クラスに移りたいと申し出た。上級クラスの講師が口頭で林朝夕に問題を出してみると、林朝夕はそれに難なく答えた。裴之は、林朝夕と一緒に受験することにした。
老林は林朝夕に、家にはもうお金がないと告げると、「受験が終わったら働くから」と父を慰めた。
父・老包が逮捕され、盗んだ金を返さなければならなくなった包小萌はブランド品のバッグ類を売りに行くも、「贋物です」
第24集 第26集第26集(裴之裴妈世纪大和解:裴之が母親と世紀の和解)
包小萌は高校に今月の返済金を持っていくも1万元足りない。しかし老包と一緒に麻雀をしていて唆したことを指摘すると返済を猶予してくれた。そこへ老林が入室してきた。包小萌は老林に老包を許すための請願書に署名するよう懇願すると、老林は承諾した。
裴之はボクシングにて海哥に数学を続けることを告げた。母親にも自分が数学を勉強していることを明かし、全てを直視する勇気を持つべきだと気づかせてくれたのは林朝夕であったことを話す。母は長い沈黙の後、裴之の意思を尊重することにした。「体調をよく見て、再発の兆候があればすぐにやめてね」と頼むと、親子は抱き合って泣いた。
老王と阿光は数学建模大会が3人1組の参加が必要だと知り、その3人目として林朝夕に目を付けた。賞金30万元の内、取り分は3000元と聞いてある考えが頭に浮かんだ。
老林は危険を冒して再びカジノに行くことを決意した。入念な計画を練る。包小萌に計画を打ち明けた。「芝居を打ってほしい」と頼み、闇カジノに同行させる。闇カジノから帰ってきたばかりの老林は、何事もなかったかのように林朝夕のためにラーメンを作る。
章亮がボクシングジムに裴之を訪ねてきた。裴之が数学を捨ててボクシングをしていることに憤りを隠せないでいる。
第25集 第27集第27集(”赌神”老林大展身手:ゴッドギャンブラー・老林、技を披露する)
林朝夕は大学院受験後に数学建模大会に参加すると老林に話した。
老林は2万元を元手に再び闇カジノにやってきた。老林は勝ちまくった。包小萌が闇カジノに入ってきたたときには既に赌神と化していた。闇カジノのオーナーは事務所に老林を連れてきた。VIPカードを渡して次回以降に高待遇する旨を告げた。老林はチップを換金しに行くも全額はなかった。「20万元だけ」と言ってチップとVIPカードを渡した。20万元を持って帰ろうとした時、警察が踏み込んできた。賭博の金はすべて警察に没収され、老林は警察に拘束されてしまった。包小萌は賭博に関与していない為にすぐに釈放された。連絡を受けて林朝夕と裴之も老林が金に困って賭博に手を出したことを知った。
裴之は釈放されて帰宅した老林に、老林の息子にプログラミングした小型AIロボット(名前を小小林と呼ぶ)をプレゼントした。老林の代わりにいろいろなことを記憶しておいてくれるのだ。
大学入試当日、林朝夕と裴之は、それぞれの試験会場で試験を受ける。答案用紙を早々に出す。帰宅すると老林と試験終了祝いの夕食をする。そこで林朝夕は老林に、お金を稼ぐには二つの選択肢があると話す。プランAは林朝夕の自費出版社で数学の本を書くこと、プランBは数学建模大会に参加すること。老林はBを選んだ。そこで林朝夕は数学建模大会の賞金の配分について相談するために老王を見つけるが逆に断られた。
自宅で林朝夕と老林がガラクタ整理をしていると、長髪のウィッグが出てきた。老林が被る。林朝夕には「芝士世界」で見た若き林兆生の姿があった。「若いころみたい・・・」すると老林は「言ったこともないのに何で知ってるんだ?」と不思議がった。
第26集 第28集第28集(小林维护老林是认真的:シャオシャオリンは老林の面倒を真面目にみる)
裴之が林家に一緒に住み始めた。
老林は小小林の頭の悪さを感じたので、裴之に教えてもらい、自分でプログラミングを始めた。
数学建模大会について、老林はどうしても一緒に出場したいと言うので、林朝夕が後方支援を頼んだ。数学建模大会に参加したい理由を尋ねると、老林は当時同じような大会に张叔平、そして邱月と参加したことがあり、懐かしいのだと答えた。母・邱月はどんな人だったかを尋ねた。
裴之は老林に数学建模大会の予選を通過したことを伝えるが、数学建模大会を覚えていない。
二次試験の日、老林は三味大学で林朝夕を待っていると、张教授に気づかれ、林朝夕が大学院試験を受けていると話した。
面接試験にて、张教授は林朝夕に対して個人攻撃を始めた。父親の論文盗作について問われる。林朝夕は、父親は不正はしておらず、盗作をするとは思っていないと答えた。
その日、帰宅すると老林から当時の真相を聞く。裴之と林朝夕は、当時の老林に何があったのかを調べようと思い、あらゆる情報を調べ上げた。老林と冯教授の論文を探し当て、比較することにした。後日、基本的な部分は一致していると判る。
ふたりは一緒に曾教授のもとへ赴き、林兆生について尋ねるが、曾教授は林兆生の論文を漏らしていない、それより林兆生には家族の問題があったと言う。
第27集P対NP問題について
100万ドルの懸賞金が掛かった数学の7大難問の1つとして名前こそ聞いたことがありましたが、内容は知りませんでした。
タイミング良くNHKの番組『笑わない数学』にて解説されていました。全てを理解できたわけではありませんが概要を簡単に紹介します。
NPとは「しらみつぶしで調べないとわからない事象」。
Pとは「コツがわかればしらみつぶしで調べなくても解ける事象」
例を挙げますと、
「点と点を繋いで一筆書きできるかどうかは点から延びる線の本数を数える。①全部が偶数の場合、②奇数の点が2つの場合であれば可能」これはPの例
上記のようなコツが見つかっていない事象は全てしらみつぶしで調べなければならないので、NPとなります。
例えば「巡回サラリーマン問題」どのような順番で訪問すれば最短時間で済むか、という問題です。
世の中はNPの事象が多く、しかも巡回サラリーマン問題で件数が50件ともなりますと、超高速なコンピュータで計算しても宇宙年齢を超える時間が必要になります。
しかし、コツさえ見いだせれば、計算時間は劇的に減ります。
例えば「巨大な数字が素数であるかどうか」は一見NPのようですが、判定するためのコツが見つかったためにPだそうです。
昔の数学者が1つのNP問題でPとなるコツが見いだせれば、全てのNPがPになることを発見したのだそうです。
そこで世界中の数学者がP=NPなのか、P≠NPなのかを研究しています。
多くの数学者はP≠NPだろうと考えているそうです。
今のところ、P=NPを証明するアプローチ、P≠NPを証明するアプローチ、どちらも失敗に終わっているようです。
ただし、P=NPが証明されると、医学や物流、経済などあらゆる分野で進歩が見込める一方で、軍事利用されると人類が滅亡しかねないとのことから「仮に証明できても発表しない」というスタンスの数学者もいるようです。
P=NPを支持する人は「P=NP問題」、P≠NPを支持する人は「P≠NP問題」と書く傾向にあるようです。劇中では老林こと林兆生が第1集からP=NPと書いていることからも、P=NP支持派なのですね。
感想など
2度目の「芝士世界」行きから戻ってきてしばらくは穏やかな展開です。ラストとなる次は裴之対裴之の対決もあります。林兆生のライフワークとも言えるP=NP問題が最後の最後まで関係します。
ドラマを見ていて老包(包小萌の父)と老于(于明海の父)の区別がつきませんでした。当初同一人物かとも思い込んでおりまして「2014年に死んだはずの人物がなぜ2018年にいるのだろう?」とか「包小萌の父がなぜ老于なのだろう?」と混乱しました。「全然似てないじゃん」と笑われそうですが。写真を並べてみますと確かに違います。
次で最後になります。林朝夕の生い立ちの違いなど、謎の部分があります。さすがに林朝夕がタイムリープしても何もできません。「説明はないのかな?」と思いましたが、最終第34集にて怒濤の種明かしがあります。