中国ドラマ『开端』RESET 第12集～第15集（終）

第12集

ふたりから事情を聞いて、局長・副隊長以下疑念を抱く。途中の停留所で下車した割に、あまりにも事件の詳細を知っているためだ。報道されていないことまで知っている。そのために質問をし、持っている電子機器を調べた。ふたりが陶映红タオ・インホン（刘丹リゥ・ダン）と王兴德ワン・シンダ（黄觉ホァン・ジュエ）夫婦と何のかかわり合いもないことが続々報告されてくる。

肖鹤云シャオ・フーユン（白敬亭バイ・ジンティン）は「なぜ１時４５分なのか？」と张成チャン・チェン（刘奕君リゥ・イージュン）副隊長が抱いていた疑問を口にした。

犯人夫婦には一人娘がいた。名前は王萌萌ワン・モンモン（陈镜依チェン・ジンイー）、肖鹤云シャオ・フーユンがバス会社の社宅から持ち出したスマートフォンがこの子のものだった。最後の通話記録が５年前の５月１３日午後１時４４分、王兴德ワン・シンダに掛けたが不在着信となっている。その１分後、橋の上でバスを降りた瞬間にトラックに撥ねられたことまで調べがついた。なぜこのような場所でバスを停めて降ろしたのか？

李诗情リー・シーチン（赵今麦エンジェル・ジャオ）と肖鹤云シャオ・フーユンは「どうすれば爆発を止められたのか？」と悩む。副隊長は不思議そうに見ている。李诗情リー・シーチンは質問した「もし、バスの中から通報したら、出動してくれますか？いたずらだと思いませんか？」副隊長は「通報があれば出動しますよ。それが我々の役目ですから」

「循環」した。肖鹤云シャオ・フーユンは鼻血を出している。「循環」すると弱っていく。肖鹤云シャオ・フーユンは副隊長宛に通報した。警察が出動し、まだ到着していないバス停にて待機した。運転手・王兴德ワン・シンダは異変を感じてバス停を通過、さらに橋まで強行突破した。バスを停めるまでのタイムロスが響いた。副隊長が爆弾の圧力鍋を受け取って橋から投げ落とす瞬間に爆発は起きた。またしても間に合わなかった。

第13集

张成チャン・チェン副隊長は全身に大やけどを負った。救急車で運ばれて病院で治療を受ける。部下の江枫ジャン・フォン（李感リー・ガン）は怒りを覚える。

李诗情リー・シーチンと肖鹤云シャオ・フーユンはインターネットで検索して、当時の事故の動画があるのを見つけた。王萌萌ワン・モンモンが運転手に激しく詰め寄た後、扉をバタバタ揺さぶった。扉が開いて車外に飛び出すと、トラックに撥ねられた。動画には弾幕と呼ばれる書き込みが流れる。ニコニコ動画のように。王萌萌ワン・モンモンに対する批判が連なっている。この件が事件の発端だと確信した。

张成チャン・チェン副隊長は残念ながら犠牲者となった。（「循環」するので・・・）

陶映红タオ・インホンと王兴德ワン・シンダ夫婦は５年前の事故後、自前で調べていた。同じ時間の同じバスの常連客らしき人物に声を掛けては通報されて警察の世話になった。賠償金の受け取りを拒否した。夫婦は結局のところ真相が掴めなかった。

第14集

陶映红タオ・インホンは１時４４分に娘からの電話を王兴德ワン・シンダがとらなかったことを責めた。王兴德ワン・シンダもまた車にスマートフォンを置きっぱなしにしていたことを悔やんでいた。陶映红タオ・インホンは持ち前の化学の知識から爆弾を作る。王兴德ワン・シンダはこのバス会社に転職してきた。そして今年の４月４日、先にあった小火ぼや騒ぎ、爆弾の実験に成功した。

李诗情リー・シーチンと肖鹤云シャオ・フーユンは「もう一度「循環」は起きるだろうか？」と思いつつも、王萌萌ワン・モンモンの事件の真相を突き止める必要を感じていた。李诗情リー・シーチンが吴ウー先生（许薇シュー・ウェイ）に連絡をとってみた。王萌萌ワン・モンモンのことを知っていた。吴ウー先生の教え子だった。江枫ジャン・フォン刑事は「学校の掲示板を見れませんか？」と尋ねた。江枫ジャン・フォンは吴ウー先生と共に学校へ行く。李诗情リー・シーチンも頼み込んで同行させてもらった。

掲示板には王萌萌ワン・モンモンに対する罵詈雑言が書き込まれていた。その中に「彼女は精神病じゃない。痴漢に遭っていた」という書き込みがあった。その書き込み主を特定した。刘瑶リゥ・ヤン（尤靖茹ヨウ・ジンルー）と言う。

刘瑶リゥ・ヤンに当時の件を訊きに行くも知らぬ存ぜぬを通される。江枫ジャン・フォンが「事件の犯人は王萌萌ワン・モンモンの両親なのです。犠牲者も出ています。我々警察はあなたを護りますから、どうか話してください」そして刘瑶リゥ・ヤンは話し始めた。「眼鏡を掛けた中年男性が、王萌萌ワン・モンモンに猥褻な行為をしていました。写真もあります」
「え、写真があるのですか！？」

第15集（終）

刘瑶リゥ・ヤンは偶然に痴漢を目撃して写真も撮った。それに気づいたのか、その中年男性が刘瑶リゥ・ヤンに迫ってきた。怖くなり、バス停で停まった際に降りていった。その後、王萌萌ワン・モンモンが事故に遭って亡くなったことを知る。学校の掲示板に酷い書き込みがいっぱいあり、それに反論した。証拠となる写真をアップしようとしたが、今度は自分が非難の対象となることを恐れて思いとどまった。刘瑶リゥ・ヤンから証拠となる写真を入手した。

その頃病院では肖鹤云シャオ・フーユンが血を吐いていた。次の「循環」はもうないかもしれない、と悟っていた。「循環」に備えて李诗情リー・シーチンと段取りを入念に確認する。

もしかしたら、全てが終わると「循環」の記憶もなくなるかもしれない。肖鹤云シャオ・フーユンは「そうなっても君を捜すよ。初めまして肖鹤云シャオ・フーユンです。僕の彼女になってください、と言ってね」と手を差し出した。李诗情リー・シーチンはこれに応えた「喜んで」

「循環」した。肖鹤云シャオ・フーユンは呼びかけても起きない。時間が経過してしまう。李诗情リー・シーチンは段取り通りに张成チャン・チェン副隊長にメッセージを送ると、他の乗客たちに協力を求めるメッセージを見せて回る行動に移った。

警察も出動して橋へと向かう。张成チャン・チェン副隊長は李诗情リー・シーチンに電話を掛け、通話状態を保持しておくように指示した。

李诗情リー・シーチンの「バスから降ろして我要下车了！」の声が合図となって、乗客は一斉に行動を起こした。陶映红タオ・インホンを取り押さえ、刃物を奪い、圧力鍋を奪った。この緊迫した状況は電話を通して张成チャン・チェン副隊長にも伝わっている。圧力鍋を処分しないと爆発してしまう。しかし、バスは加速していく。江枫ジャン・フォンらのパトカーが捨て身でバスを停めに行く。

バスは動かなくなった。運転手の王兴德ワン・シンダは圧力釜の栓を引こうとするのを李诗情リー・シーチンが止めた。証拠写真を見せる。説得した。１時４４分、圧力鍋は橋の下の水面で爆発した。誰も犠牲者がいないことに成功した。

李诗情リー・シーチンと肖鹤云シャオ・フーユン、それと他の乗客６人の合計８人が警察から表彰を受けた。１人あたり３万元（≒45万円）の報獎金が出る。李诗情リー・シーチンと肖鹤云シャオ・フーユンは王萌萌ワン・モンモンの墓参りに一緒に訪れた。

なお、この事件の発端となった王萌萌ワン・モンモンへの痴漢、その犯人の强子チャンズもまた警察に逮捕されて、王兴德ワン・シンダと同じ刑務所に収監された。