タイトルを見て『賭神』に始まる往年のギャンブルものを連想させるじゃないですか。一応シリーズは『賭神2』にて終わっていますが、『賭城風雲』シリーズも3作(日本語化は1作のみ)に出演していて、パロディ満載の面白い映画でした。まだまだギャンブルものを?!かと思いきやハートフルな物語でした。
オススメ度
予告編
吳光輝(周潤發)は理髪店を営んでいる。仕事はそこそこに、ギャンブルに出かけるのが趣味。ある日、元恋人の李夕(袁詠儀)が息子・李陽(柯煒林)を連れて訪ねてくる。「あなたの子よ」とDNA鑑定書も見せる(いつの間に?)。理由も言わずに「1カ月間預かってほしいの。お金は払うわ」と息子を置いていった。子供とは言え歳は30歳くらい。ただ自閉症で知的障害があった。吳光輝は子をギャンブルに連れて行く。子が特殊な才能を発揮して吳光輝の借金を帳消しにするほどだった。これに味をしめると再び子をギャンブルに連れて行くがアラームが鳴る。「寝る時間だ」と言って眠り込んでしまう。仕方なく吳光輝はそのままギャンブルを続けるも、負け続けて再び借金を背負った。
借金の取り立て屋に店を荒らされてピンチが訪れる。ここは昔吳光輝に助けられたというボス・瑞哥(安志杰)が登場してきて難を逃れた。
当初はわかり合えなかったふたりだが、少しずつ打ち解け合う。心を入れ替えた吳光輝はギャンブルを辞めた。やがて元恋人の李夕が息子を置いていった理由が明らかになる。
『賭神』シリーズに見られるようなギャンブルシーンはほとんどなく、『賭神』のパロディ映画でもありませんでした。ギャンブルものを期待して見る方には拍子抜けされるかもしれません。撮影はコロナ禍前に行われましたが、コロナ禍に突入して映画館が休業を余儀なくされ、シネコン大手のUA戯院が倒産するなどスクリーンが大幅に減りました。2024年現在では徐々に回復傾向にありますが、上映待ちの映画が数多く残っています。本作も上映まで長らく待たされることとなったものです。
周潤發と袁詠儀はずいぶんと歳が離れていますが恋人役とは!日本でも人気があるこのふたりの共演ともなれば日本でもすぐに公開されそうなものですが、意外にもまだそのような話を聞きません。今のところ公開待ちの香港映画一覧のキャストに周潤發の名前はありません。もしかしたら本作が最後になるのかも。「早く公開を」と願うばかりです。
基本情報
邦題:日本未公開
英題:One More Chance
監督:潘耀明
主演:周潤發、袁詠儀