メガホンをとった陳木勝監督が公開を目にすることなく、癌のために亡くなりました。本作が遺作となります。
主演を努めた 甄子丹 の他、谷垣健治氏も動作導演に名を連ねています。 甄子丹 のアクション映画に欠かすことのできない動作導演になりました。最近の日本映画では『るろうに剣心』シリーズのアクション監督もされています。
謝霆鋒と 甄子丹 の共演は2006年の映画『龍虎門』以来となります。
呂良偉や 任達華 らが特別出演しています。
㊗第40屆香港電影金像獎、最佳電影・最佳導演・最佳剪接・最佳動作設計、4冠達成!
オススメ度
基本情報
邦題:レイジング・ファイア
英題:Raging Fire
監督: 陳木勝
主演:
甄子丹
、謝霆鋒、秦岚
【配役】
甄子丹
:張崇邦(邦主、阿邦)、香港警察の刑事。
謝霆鋒:邱剛敖(阿敖、敖哥)、警察官殺害の黒幕、 張崇邦はかつての上司。
秦岚:藍可盈(阿盈、Anna)、張崇邦の妻。
予告編
あらすじ
張崇邦( 甄子丹 )の同僚刑事・姚Sir(呂良偉)は麻薬売買の現場で一味を取り押さえようとして殺害される事件が起きた。桃Sirは現場にいた5人組の覆面の男たちに殺されるが、その最期で覆面を外した顔を見せつけられ驚愕する。それはかつて同僚だった元刑事・邱剛敖(謝霆鋒)だったからだ。張崇邦は犯人を知らない。久しぶりに邱剛敖に会ったが、まだこの時点では優しく接する。
なぜ、元刑事の邱剛敖が凶悪な犯罪者になったか。それは刑事時代のとある事件に端を発する。弁護士・霍氏誘拐事件の際、容疑者の男を邱剛敖ら5人でリンチした。警察上層部からの「なにがなんでも明日の朝までに霍氏を救出しろ。責任は俺がとる」という副総監からの指示のために行き過ぎた行動だった。男から居場所を聞き出して霍氏を救出に成功した。張崇邦が邱剛敖らと合流したときには誘拐の容疑者の男は無残な姿で死んでいた。
邱剛敖ら5人は裁判に掛けられた。張崇邦の「(殴るところを)見た」という証言がとどめを刺し、5人は投獄された。彼らは警察に、特に張崇邦 に非常に強い「怒」の念を抱いた。その「怒」が出所してから暴走しているのだ。
次第に同僚刑事殺害が邱剛敖らの仕業だとわかり始めた張崇邦の「怒」が頂点に達するのは、妻・藍可盈(秦岚)にも命の危機が迫ったため。副総監が首に爆弾をセットされ、その副総監に人質にとられたのが藍可盈。爆弾は副総監の心拍が停止するとストップする仕掛けになっている。副総監の懺悔は爆弾の制御装置にある通信機能によって邱剛敖に送られ、また邱剛敖の言葉もで張崇邦に届く。張崇邦の「怒」 を顕にする。なんとか藍可盈を救出したが、副総監は狙撃隊に撃たれて死んでしまった。
張崇邦は副総監も助けようとしていた。しかし指揮官からは狙撃命令が出ていて、それに背いて味方に発砲したために査問委員会に諮られることになる。同僚らの嘆願があり、かろうじてクビを免れた。但し査問委員会が”延期”になっただけで、タイムリミットは24時間しかない。
邱剛敖を追っていると、霍氏の銀行で強盗事件が発生、もちろん邱剛敖らによるもの。現場に向かった張崇邦と繁華街(尖沙咀)で遭遇し、市民をも巻き込んだ銃撃戦が展開される。
「怒」と「怒」がぶつかりあった最期の闘いが始まる。
感想など
カーアクションあり、銃撃戦あり、肉弾戦あり。アクションには迫力がありました。これぞ娯楽大作!という映画でした。
エンドロールにて亡き陳木勝監督の本作の監督をしている映像の数々が流れました。本編はお涙頂戴映画ではありませんが、泣けるとしたらこのエンドロールでしょうか。主題歌は主演の1人、謝霆鋒が歌う《對峙》、自ら作曲も手掛けています。謝霆鋒の歌は久しぶりに聴きました。陳木勝監督への追悼の想いもあるのでしょうか。歌詞は調べていないためわかりませんが、陳木勝監督の映像と共に流れているのを聴いていると、よく合っていて泣けてくる感じがしました。
実は10月4日現在、香港ではまだ公開中です。中国では一足早く公開されたので、動画サイトで配信が始まっています。東京国際映画祭並びに一般公開が控えています。この映画は観て損はないのではと思います。邦題が未定のようですが、『レイジング・ファイヤー』になるでしょうか?英題をそのままカタカナにした邦題は嫌ですね。原題の『怒火』、あるいは「怒」を入れた邦題にしてもらいたいものです。(11月1日に邦題が『レイジング・ファイヤー』に決まったと発表がありました)