今年(2018年)の4月末に公開された映画。
何はさておいても
周冬雨
主演最新作です。お気に入りの女優さんなので絶対観なくては、と観た作品。
台湾の歌手として有名な劉若英が監督初挑戦という話題もありました。
第55屆台灣金馬獎5部門にノミネート。発表は11月17日。
オススメ度
基本情報
邦題:僕らの先にある道
英題:Us And Them
原作:劉若英『过年,回家』
監督:劉若英
主演:
周冬雨
、井柏然、田壯壯
予告編
簡単なあらすじ
旧暦の2006年の大晦日(つまりは2007年)から物語は始まる。ご存知のように大晦日は民族大移動である。方小晓( 周冬雨 )は混雑した車内で切符を落とした。「これ、君の切符じゃない?」と拾ってくれた林見清(井柏然)と運命的な出会いをする。偶然にも同郷な2人(友人も交えて4人)は一緒に帰省する。林見清の父(田壯壯)に方小晓は紹介される。(原作の題名からして帰省が一つキーワードになっているため、林見清の父は出番は少ないですが重要な役どころになっています)
物語は並行して現代も進む。過去の方の物語はカラーで、現代はモノクロでという趣向。
過去の方、大学を卒業した林見清は友人2人と共にパソコン部品の店を始める。方小晓はネットで知り合った公務員の彼氏を作る、しかし彼の母親のせいで別れる。で、林見清のアパートに移り住む(同棲という感じだが、まだ恋人ではない)。セクシーな隣人や深夜に喘ぎ声がしたりとなかなか刺激的なアパートだ。
林見清の友人の1人が親が公務員の仕事を探してきて就職することになって離れる。もう1人の友人も就職のために店を辞めた。林見清も店を畳み、路上で違法DVDの販売を始める。一方で方小晓は林見清が紹介してくれた客(AutoCAD2006を求めてきた)と懇意になる。
林見清はコツコツとゲームのアイデアをメモ用紙に書き込んでいた。金持ちになって広い家に住むという夢を持っていた。そして出会いから1年後の旧正月、林見清と方小晓は遂に結ばれる。
しかし、林見清は逮捕された。恐らくは違法DVDを販売していたから。2008年の旧正月、方小晓は林見清の実家で彼の父親らと一緒に過ごす。林見清が逮捕されたことを悟られないためにだ。
出所した林見清とまた同棲生活がスタート。生活を改め林見清はコールセンターに、方小晓は不動産屋で働き出した。
2009年の旧正月、同窓会でホラを吹く。旧友には見抜かれていた。そして林見清の実家へ。林見清は疲れていた。実家から帰るとコールセンターで苛ついて客に暴言を吐いてボッコにされた。方小晓はというと物件を案内した先で客が迫ってきたりしてこちらも疲れている。そして2010年の旧暦の大晦日、アパートを追い出された。
林見清はゲーム三昧で実家に帰らず。旧正月に方小晓は家を出た。林見清は気づいて後を追うも地下鉄で見つめ合ったまま、別れた。
別れた後、林見清は猛然とゲームをプログラミングする。そして完成したものは大ヒット。大手会社とも契約し、大金持ちになった。2011年の旧正月、林見清は父親に別れたと告げられずにいたために方小晓を誘って帰省した。父親に北京で3人一緒に暮らさないかというも父親は断る。方小晓にも再度フラれる。
時は経ち、2015年の旧正月。林見清が奥さんを連れて帰省したが、父親はそれを方小晓だと思いこんでいるのだ。父親が亡くなった後、物を整理していると方小晓宛の手紙を見つけた。それを方小晓に送った。方小晓はそれを読み涙する。(この手紙がとても暖かい)
現代の方は偶然飛行機に乗り合わせたところ。天候不良で飛行機が飛ばず、航空会社が手配したホテルに泊まることになる。林見清はファーストクラスで、方小晓はエコノミーなために林見清のみ部屋が与えられた。やむを得ず二人でその部屋へ。昔話に花を咲かせる。そして子供から電話が掛かってくる。そう彼は結婚して子供までいたのだった。
結局二人はレンタカーを借りて帰ることにした。笑顔でハグをして分かれる。
感想ほか
小説で言うところの「行間を読む」という作業が必要な映画でした。そういう大変さがあっても、鑑賞後にじんわりくる映画でした。さすが 周冬雨 、友情でも恋愛でもコメディでもなんでもこなせる一流女優さん。喜怒哀楽の表情がとても豊かで好きです(『七月与安生』以来、べた惚れしてます)。
なんとなくの予感ですが、日本では2018東京・中国映画週間あたりで上映されるのではないかという気がします。もう一度日本語字幕付きで観たいです。中国の動画サイトで鑑賞しましたが、分かりにくくて続けて2回も観ました。(⇨追記:Netflixにて配信しているようです)
エンドロールの最後の劉若英の演唱会(《后来》を歌っている。《后来》はKiroroの《未来へ》のカバー曲で劉若英のヒット曲)の動画は余計かと。
主演の三人が中国大陸ですが、監督と劇中歌の田馥甄(S.H.Eのヒビ・ティエン)・五月天(メイデイ)は台湾、主題歌の陳奕迅(イーソン・チェン)は香港と中華総動員ですが、「中国映画」という分類になっています。
なお、劇中に頻繁に登場する言葉「上九天攬月 下五洋捉鱉」は毛沢東の『水調歌頭・重上井岡山』からとったものだそうです。意味は・・・今の所よくわかっていません。中国人ですらこの言葉の意味は?とネットで問いかけているくらいですから。
周冬雨
出演作⇩
中国映画『喜欢・你』This Is Not What I Expected 恋するシェフの最強レシピ(金城武と共演)
中国映画『后来的我们』Us And Them 僕らの先にある道(井柏然と共演)
香港映画『武林怪獸』When Robbers Meet The Monsters
中国映画『阳台上』On The Balcony(井柏然と共演)
中国映画『少年的你』Better Days 少年の君(易烊千玺と共演)
中国映画『七月与安生』Soul Mate ソウルメイト/七月と安生(チーユエとアンシェン)