香港映画ファンであれば言わずもがな、2003年12月に逝去した女優であり歌手であった梅艷芳の物語です。この年は4月1日に張國榮が亡くなっていて、その悲しみも癒えないうちのことでした。当時は中国・香港・台湾がSARS禍にあり、旅行が難しく香港に行きたくても行きづらい時期でもありました。
ところどころに実際の映像も使われています。懐かしいと申しましょうか、泣けてきます。Disney+ではディレクターズ版として40分以上も長いバージョンで配信されているそうです(未見)。ちょいちょい俳優や歌手が本人役で登場していて、Disney+の方にだけ出演している俳優もいるとか。できることでしたら、そちらを見たかったです。
予告編の映像を見ても、主演の王丹妮が実によく梅艷芳の雰囲気を醸し出しています。対して張國榮の方は(むにゃむにゃ)。
(以下のあらすじでは張國榮の漢字表記を張国栄としています)
オススメ度
予告編
あらすじ
梅艷芳(王丹妮)はデビュー前は姉・梅愛芳(廖子妤)と共にナイトクラブなどで歌っていた。張国栄(劉俊謙)ともそこで知り合った。梅艷芳の歌唱力に目を付けられて、第一回の「新秀歌唱大赛」の参加を促される。そして優勝した後はスター街道を駆け上っていった。
歌手としての実績を積んでいくと、映画の主演の話が舞い込んできた。梅艷芳は相手役に張国栄を起用することを条件とした。その映画『胭脂扣』はヒットし、俳優業としても成功を収めていく。(当時の香港では歌手として名が売れると俳優業も、俳優で芽が出ると歌手もという時代でした。映画主演の話も当然のことかと思われます)
プライベートでは恋もした。相手はレスリーではなく 後藤夕輝(中島步)。(私は存じ上げなかったのですが、モデルとなる近藤真彦との恋愛は香港では有名であったようです。映画では美化され過ぎとの声も) 香港に来た 後藤夕輝 とはお互いに一目惚れ。しかし、日本の旅館で逢い引きしていたところにマネージャーがやってきて別れるようにと告げられた。一度は離れ離れになったものの、晩年には病の体でありながらも日本を訪れて再会した。(梅艷芳は多いときで年に7回も来日していたとのことです)
姉・梅愛芳を子宮頸がんで亡くすと、梅艷芳も同じがんになった。「お願い。張国栄には言わないで」ところがその張国栄はホテルから投身自殺してしまった。
香港红磡體育館にて『梅艷芳告別演唱會』を開く。コンサートの最後はウェディングドレスの衣装。Eddie(古天樂)に頼んでいたものだ。Eddie からの「誰と結婚するんだい?」その問いかけに「舞台よ」(この台詞には震えました)
『梅艷芳告別演唱會』の45日後、梅艷芳は還らぬ人となった。享年40。
梅艷芳は慈善活動に力を入れていました。その意思は今でも香港では引き継がれています。
梅艷芳が亡くなる45日前に行ったという香港红磡體育館での『梅艷芳告別演唱會』、実際の映像がYoutubeに残っていました。
基本情報
邦題:ANITA(大阪アジアン映画祭2022)
英題:ANITA
監督:梁樂民
主演:王丹妮、劉俊謙、廖子妤、林家棟、
古天樂
、楊千嬅、楊祐寧