映画が始まって一番最初のシーンで(文字通り)泣かされました。まさか!今まで観てきた映画で最速のことでした。
香港の街並み、ネオンサイン看板が道路まで突き出していて、その下を二階建てバスが通る、そんな光景が当たり前でした。しかし新たに施行された条例によりこのネオンサイン看板は撤去されてしまいました。もうかつての光景は見られないのです。そんな消えゆくネオンサイン看板をテーマに据えた香港映画です。
張艾嘉と 任達華 の香港映画界の大御所が夫婦役を務めています。
オススメ度
基本情報
邦題:消えゆく燈火(第35回東京国際映画祭)
英題:A Light Never Goes Out
監督:曾憲寧
主演:張艾嘉、
任達華
、周漢寧
予告編
あらすじ
ネオンサイン職人の夫(
任達華
)が亡くなり、妻(張艾嘉)がその工房を訪れた。
死後しばらく経つのに、まだ人がいた様子があった。自称”弟子”を名乗るレオ(周漢寧)が現れた。弟子曰く夫には最後に仕上げたい”仕事”があったという。
工房は家賃を滞納し、立ち退きを迫られている。妻は夫の最後の仕事を完成させたいと、どの仕事がそれなのかを調べ始めて夫の人柄を改めて知らされるのだった。
母親と意見が合わなくて喧嘩をしていた娘とその婚約者も最後は一体となる。
感想など
ただでさえコロナ禍で行けていない香港の街並みからネオンサイン看板が消えていくのをSNSで見ているのに、エンドロールでネオンサイン職人の功績の数々が紹介されましたし、もう涙なしには見ていられない映画でした。
本作、香港ではまだ上映が決まっていません。東京国際映画祭を含めて2つの国際映画祭で上映されたのみです。
コロナ禍で4ヶ月ほど映画館が閉鎖され、そのために未公開映画が数十本も公開日未定の状況です。
監督の曾憲寧によると香港にてネオンサインをテーマにした映画はなかったとのことです。このネオンサインが街から消えゆく瞬間を映画に残してくれたことに曾憲寧監督には感謝したい気持ちでいっぱいです。