『上集』からの続きです。
中国映画『太平轮・上集』The Crossing-ザ・クロッシング- Part Ⅰ
『上集』の最後でやっと太平輪が出てきて、『下集』は太平輪に乗り込むところからだろう、そう思ってました。すみません。
『下集』で太平輪に乗り込むのは60分過ぎからでした。まだまだ『上集』からの話が続きます。
最後、ネタバレまで含みますのでお気をつけください。
オススメ度
簡単なあらすじ
雷义方（黄晓明）の妻周蕴芬（ソン・ヘギョ）は妊娠しているので台湾に避難します。引っ越し先は志村雅子（長澤まさみ）がかつて住んでいた家です。そこには雅子が弾いていたピアノが置いてあり、壁には嚴澤坤（金城武）が描いて雅子に送った絵が飾られていました。
周蕴芬が絵を動かすと額縁の裏側に隠されていた（？）しまっていた（？）雅子のノートが落ちてきました。
両親が庭で喧嘩しています。止めに入った周蕴芬は蛇に噛まれます。診療所で嚴澤坤に診てもらい無毒で事なきを得ました。医師の名前が絵を描いた人物と同一人物とわかり、雅子のノートを嚴澤坤に手渡します。
夫・雷义方の消息が手紙で来ます。第二次世界大戦の英雄は第二次国共内戦で戦死しました。
于真（章子怡）は恋人阳天虎を探して戦地（上海）で看護婦をしています。なかなか見つからない為、台湾基隆に渡ろうと決意しますが、基隆行きの太平轮のチケットは日増しに高騰していきます。
日本にいる雅子に頻繁に手紙を出す嚴澤坤ではありましたが、返事は一向に返ってきません。実は日本人との交流を快く思わない母親が雅子の手紙を焼いていました。嚴澤坤の妹はスキを見て手紙を拾い出し、兄に渡します。断片的に読める手紙には嚴澤坤への、基隆への想いが書かれていました。
嚴澤坤の兄の嚴澤漢（伊正）は国民党員で共産党員に銃殺されました。弟の嚴澤明（楊祐寧）は澤漢の死後、大陸に渡ります。嚴澤坤は表向き薬の買い付けと称して上海に渡り、弟を探します。連れ戻す為です。
弟を見つけ、一緒に太平轮に乗ろうとしますが、弟は途中で引き返してしまいました。嚴澤坤だけが太平轮に乗りました。
于真は知り合いから太平轮のチケットを譲り受け、乗船にこぎつけました。
大量の資材、定員オーバーの乗客、過積載の太平轮は上海を出発しました。船内では歌を歌ったり、食事を楽しんだりしています。甲板には傷ついた兵士達が乗っていました。そのうちの一人に佟大庆（佟大为）がいました。佟大庆は雷义方から預かったノートを持っています。基隆の妻に渡す約束をしていたからです。阳天虎を探して甲板に来た于真は佟大庆と再会します。
操舵室では乗務員が酒を飲んだ挙句、へべれけになって無人状態でした。そして1隻の船に衝突、衝突された船は沈みました。しかし衝突の衝撃は激しいものでした。「大丈夫です、この船は大きいから大丈夫です」と言って乗客に説明する船長（？）船員（？）。しかし船底に空いた穴から海水が流れ込み、太平轮はあっと言う間に沈みます。乗客らは海に投げ出されました。
于真と佟大庆は周蕴芬に渡す為のノートを必死に守ろうとします。結果的には二人は助かります。
嚴澤坤は医師として人々を助けようと奮闘しますが、ある乗客ともみ合いになり刺されます。最期は雅子の事を想いながら海に沈んでしまいました。（涙）
1000人以上が死亡し、オーストラリアの船に34名が助けられ、併せて50人だけが生き残りました。
于真と佟大庆は周蕴芬のもとを訪れ、ノートを渡すことができました。周蕴芬はその後無事出産します。子供が大きくなると、雅子が使っていたピアノで子供に練習させるのでした。
『上集』『下集』共に2時間超え、疲れました。太平轮事件自体は1時間ないくらい。実にあっけなかった感じに思いました。吳宇森監督が一番描きたかったエピソードはどれだったのでしょう？
第二次国共内戦時に基隆ー上海間を自由に行き来しているのを見てると中国としては台湾は中国の一部だと主張する気持ちがわからなくもない。
でもその後の台湾の出来事からするに台湾は独立国家として見てあげたい気もします。やっぱり中台問題は難しい。
『下集』まで観ても、日本での公開は難しいかなという気がします。【追記：2019/03/13】2019年6月公開予定だそうです。
