質の高い青春映画が多い台湾映画にあって、珍しいサスペンス・スリラー映画。このところ台湾映画界は停滞気味なのだそうです。最近、台湾映画を観る機会が少ないのもそのせいかもしれません。
オススメ度
基本情報
邦題:目撃者 闇の中の瞳
監督:程偉豪
主演:莊凱勛、許瑋甯、柯佳嬿、李銘順、李淳
予告編
簡単なあらすじ
9年前、新聞記者の卵の王逸齊(莊凱勛)は当て逃げ事故を目撃する。しかし当時撮った写真ではナンバープレートもはっきりせずスクープというほどにはならなかった。
それから9年、スクープを連発して部長に昇進していた。しかし、政治家の不倫を報じた写真が実は極秘裏に入籍していた正式な妻であり、小齊は訴えられてしまう。ちょうどリストラを計画していたところの不祥事で小齊はクビを切られてしまう。そして買ったばかりの中古の高級車で事故してしまう。
車の修理工場に持ち込むと、その中古車は過去に修理した跡があった。過去の持ち主を調べると9年前の事故の被害側の車であることが分かった。当てられた車の運転手は死亡しており、助手席に乗っていた女性(柯佳嬿)は病院から蒸発していた。なんとかその女性を探り当てるも小齊との接触を拒否される。その後、その女性からの「助けて」という電話を最後に連絡が途絶える。
小齊は調査を進める。9年前の写真を改めて見直してみると辛うじてナンバーを推測できた。可能性のあるナンバーを全て調べると、そのうちの一つがある人物が浮かび上がってきた。関係者に話を聞いていくうちに矛盾が生じてきた。さて真実はどこにある・・・?
連絡が途絶えた女性にある真実とは?行方は?
という物語です。
感想ほか
当て逃げ事故の加害者側にも被害者側にも調べられると困る「闇」があります。さらには目撃者の小齊にも。最後まで飽きさせない物語展開をします。
ラストシーン、小齊はそっちの道を取ったか!って感じです。これも「闇」です。
カメラがハンディカメラのようで、映像がゆらゆらするのが嫌でした。それから映像だけ見ると不安なシーンでなくても不安を煽るようなBGMが流れるのがちょっと嫌でした。あまり余計な効果音を入れるのは好みではありません。物語や映像だけでは自信がないのかと勘繰ってしまいます。
出来はまぁまぁです。今後も良質なサスペンス映画の制作に台湾は取り組んでもらいたいものです。今後に期待します。