アクション監督役の董瑋はブルース・リーと共演経験があるとのこと。本作を制作するにあたって、昔ながらのスタントも知る人物として白羽の矢が立てられたようです。監督の梁冠堯、梁冠舜は双子、そして初監督作品。劉俊謙と伍允龍はちょうど今年香港で公開の『九龍城寨之圍城』でも敵味方に分かれて戦っています。
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予告編
あらすじ・感想など
80年代、森哥(林耀聲)はアクション監督をしていた。梁志威(翁煒桐)がキューと同時に歩道橋からトラックへと飛ぶことができず、代わりにスタントした金哥が事故に遭った。金哥は半身不随で車椅子生活を余儀なくされる。その時、森哥の妻・盈(梁雍婷)は娘が高熱を出していたので病院へ行っていた。森哥は撮影を優先したため、盈は怒って家庭を顧みない森哥を見限り、娘を連れて出て行った。その撮影以降、森哥は映画業界を離れた。
2020年代に入って、楚天行(杜燕歌)が監督引退作品を撮ることになり、主演に梁志威(伍允龍)を、アクション監督に森哥(董瑋)を指名した。森哥はアクション監督助手にスタントマンの李世龍(劉俊謙)を連れてきた。李世龍は兄に物流業を手伝うように命じられていたところだったが、映画界に戻った。その頃、森哥の娘・Cherry(蔡思韵)は結婚式を控えていた。実の父親よりも母の再婚相手の方になついていた。
さて、撮影初日早々にトラブル。森哥が娘のウェディングドレス試着の日と重なってしまっていたのだ。李世龍の指示を現場は聞いてくれず、梁志威率いるアクションチームが勝手に変更を加えていった。現場の雰囲気は最悪だった。
李世龍は自ら危険なアクションの手本を示し、またスタントマンが演じる際に事故が起きぬように配慮していったことで、梁志威のチームから信頼されるようになっていった。さらに森哥の名前で差し入れをするなどして、森哥もまたなじめるように努めた。
予算が尽きてきたところで、森哥は銀行強盗のシーンを撮影許可を得ないゲリラ的な撮影を実行する。関係者は警察が来る前にバンに乗って逃走するはずが失敗、これが大騒動に発展、森哥は再び信頼を失い、現場を追われた。それが娘の結婚式の日でもあり、雪解け間近だった娘との関係も壊れることとなった。
楚天行監督が森哥を試写に呼んだ。「配給会社がエンディングが気に入らないと言ってきた。お蔵入りだよ」と嘆く。森哥は即席で編集し直す。少し良くなったのか、楚天行監督と梁志威が「ん?」と身を乗り出して興味を示す。森哥が「ラストシーンを撮り直そう。金なら出す」楚天行監督と梁志威もそれに乗った。
ラストシーンの撮影には娘も呼んだ。李世龍は再び森哥に呼び出されたため、兄と喧嘩してきた。ラストシーン、背景で火薬を爆破させながら、建物の屋上・6階から飛び降りるのだ。スタントマンをワイヤーで吊るすのだが、ワイヤーを固定するコンクリートの土台が崩れてしまった。復旧には一晩掛かりそうだという。それでは時間がない。森哥はワイヤーなしのスタントを決行すると宣言する。命がけのシーンとなる。万全の体制を確保すべく、スタッフが動き始める。
香港映画には「茶水」というスタッフさんがいて、エンドロールにクレジットもされる存在の方がいらっしゃいます。本作に茶水のおばちゃんが登場して監督にお茶を出したりしています。珍しいなと思いました。これは本当にこの映画で茶水をしていた方でしょうか?俳優さんには見えません。
エンドロールにて撮影事故のシーンもちゃんとワイヤーを使った撮影が流されました。舞台挨拶に登壇された伍允龍さんが上映後にファンの方と写真撮影したりサインをしたりとファンサービスをしていました。その列に並ぶには疲れすぎていて諦めました。ちょっと残念でした。
基本情報
邦題:スタントマン
英題:Stuntman
監督:梁冠堯、梁冠舜
主演:劉俊謙、董瑋、蔡思韵、伍允龍、梁雍婷