1993年に香港を震撼させた猟奇映画『八仙飯店之人肉叉燒包』(邦題:八仙飯店之人肉饅頭、東京国際ファンタスティック映画祭にて上映)、これで初タッグを組んだ邱禮濤監督と黃秋生。黃秋生はそれが映画初主演で、いきなり香港電影金像獎最佳男主角(最優秀主演男優賞)を獲得しました。それ以降、たびたびタッグを組んでいるこの二人、2017年の本作でもまた恐怖片で組みました。
本作、1週間限りで日本でも上映されていました。それを知ったときにはもう手遅れで、やむを得ず、香港旅行の際にDVDを購入してきました。黃秋生は民主派として知られ、たびたびそのような発言をしているため、現在、出演映画は中国本土では上映されません。中国本土の動画サイトにも載らないため、香港で仕入れるしかありませんでした。
林家棟 が友情出演しています。
オススメ度
基本情報
邦題:ザ・スリープ・カース
英題:The Sleep Curse
監督:邱禮濤
主演:黃秋生、衛詩雅、吳俐璇
予告編
簡単なあらすじ
あまり、あらすじらしいものもないのですが、
林惜家(黄秋生)は著名な大学で睡眠を研究している学者。数ヶ月もの間、失眠の末に死んだある男の脳みそを勝手に解剖して持ち去り、自らの研究材料にもしている。
では、その男性の不眠について研究を深めるのかというとそうではない。ある日、日本で言う「イタコ」のような女性に自分の父親・林醒(黄秋生、二役)を呼び寄越させる。
そこから林醒の話になる。時は第二次大戦中、日本の統治下にある香港。林醒は生まれが日本なので、少し日本語ができる。日本軍と付き合ううちに、ある姉妹(衛詩雅、二役)と出会う。姉の方はアクシデントから右目を負傷した挙げ句に亡くなる。妹は林醒と結婚することになるが、やがて林醒は発狂する。家族を殺しそうになったところ、日本軍に射殺される。
話は現代に戻り、林惜家の前にひとりの失眠患者が来る。林惜家の元カノで丘夢熙(吳俐璇)という。林惜家も林醒のように狂い始め・・・
感想ほか
正味100分ほどの映画で、怖いというよりグロいシーンが続々登場するのがラスト10分。最もグロいのがカニバリズムのシーンでしょう。香港で購入したDVDでしたので、映画レビューサイトで書かれているようなモザイクは一切なし。全部モロ見えでした。
正直言って期待外れ。ラスト10分以外では、突然大音量をドーン!というような驚かせ方を含む程度。話をあまりよく理解できていませんが、第二次大戦下のシーンはいるのでしょうか?失眠についての恐怖ではなく、結局はカルマ的なものでした、という感じがしました。『八仙飯店之人肉叉燒包』のような映画を期待すると、スカされるでしょう。