☆4.5 2019以前 剧情 動作 香港映画

香港映画『追龍』Chasing the Dragon 追龍

なんと、長らく香港映画界を牽引してきた 劉德華アンディ・ラウ 甄子丹ドニー・イェン の2大スターが本作で初共演!
面白かったです。是非日本で劇場公開してほしいです。配給会社さんお願いします!⇨2020年6月公開が決定しました。

オススメ度

基本情報

邦題:追龍
英題:Chasing the Dragon
監督:王晶バリー・ウォン、關智耀
主演: 甄子丹ドニー・イェン 劉德華アンディ・ラウ 鄭則士ケント・チェン姜皓文フィリップ・キョン劉浩龍ウィルフレッド・ラウ、喻亢、湯鎮業ケネス・タン胡然ミッシェル・フー徐冬冬シュー・トントン黃日華フェリックス・ウォン吳毅將ベン・ン、Bryan Larkin

予告編

感想ほか

主人公・伍世豪(通称:跛豪)は吳錫豪という実在の人物をモデルとしていて、今回は 甄子丹ドニー・イェン が演じています。1960年に中国本土・潮州から香港に渡り、1991年に癌で逝去するまでの物語です。
跛豪は何度も映画化されており、私は呂良偉ロイ・リョンワイ主演の『跛豪』(1991年)がすぐ思い起こされます。

また、『五億探長雷洛傳』と『五億探長雷洛傳II之父子情仇』(共に1991年)で雷洛を20代から50代まで演じて当時話題になった 劉德華アンディ・ラウ が本作で再び雷洛を演じています。雷洛も呂樂という実在の警察官をモデルとしています。1991年の『五億探長雷洛傳II之父子情仇』は続編ではなく、『五億探長雷洛傳』と併せて前後編の物語です。香港で購入したレンタル落ちのLaserDiskがあるのですが、この2本の映画を構成しなおして3枚組となっています。後半はなぜか字幕がなくなり、物語がよくわからなかった残念な思い出のある映画でした。
他にも『四大家族之龍虎兄弟』(1991年)や『四大探長』(1992年)なども跛豪や雷洛を扱った映画です。

1960年代、香港の警察はヤクザと変わりませんでした。みかじめ料という名の賄賂を市民から取って私腹を肥やしていました。いざこざが起きて警察を呼んでも、裏でヤクザとつるんでいるために被害者の方が連行されるなど、ロクな世の中ではありませんでした。

本作でも登場しますが、香港映画でお馴染みの「廉政公署ICAC」が1974年に誕生します。廉政公署は警察署とは完全に独立した組織で、主に警察官の汚職を取り締まります。捜査・逮捕の権限があります。警察もまた廉政公署を捜査・逮捕する権限がありますので、廉政公署が汚職にまみれることなく、お互いにクリーンとなって現在に至ります。お互い全く干渉を受けることがなく捜査できるのも世界的に見て稀な組織体系なのではないでしょうか。『寒戦コールド・ウォー』シリーズでも廉政公署のメンバーが介入してきますね。

廉政公署誕生の苦闘を描いたおススメ映画『絶不低頭九龍大捜査線』(1993年)は見応えがあります。汚職警官たちが廉政公署設立に反発して対立するなかで、血を流しながら闘う姿が描かれております。

劉德華アンディ・ラウ と黃日華が本作で共演しています。2人は梁朝偉トニー・レオンらと共にTVB時代に「五虎将」と呼ばれたメンバーの2人です。
「五虎将」の5人が主演した映画『五虎將之決裂蒼き狼たち』は彼らが警察官を演じ、現場で見つけた裏金を山分けしてしまいます。廉政公署がここに登場し、徐々に彼らを追い詰めていくという面白い映画でした。

香港映画の警察ものには廉政公署は切っても切れない縁があります。日本にはない組織(公安とはまた違う)であるため、廉政公署が登場すると面白いです。

1960年に香港にやってきた跛豪は喧嘩沙汰から警察に拘束されます。雷洛は跛豪を助けたことから跛豪は雷洛に恩義を感じます。また数年後、今度は雷洛のピンチの時に跛豪が助けます。跛豪は薬物を売る黒社会の大物、雷洛は警察で出世していく。本来ならあってはいけない友情がこの2人にはありました。

1974年廉政公署が誕生すると跛豪は逮捕され30年の刑に、雷洛はカナダへ逃亡します(モデルの呂樂は廉政公署設立前に逃亡)。雷洛は跛豪を家族ごと移住することを勧めますが跛豪は残りました。以来、雷洛が香港に戻ることはありませんでした。

劉德華アンディ・ラウ は特別出演という扱いですが、チョイ役ということもなく主役級の活躍でした。

追龍2』という作品もありますが、別の実在人物がモデルとなっており、本作の続編というわけではありません。

香港映画『追龍Ⅱ:賊王』Chasing the Dragon II: Wild Wild Bunch

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